【立体知覚の養成】

【立体知覚の養成】

  私達人間は、ふだん意識せずとも、生活の中で様々な認識の活動を行って生活しています。

 例えば、床に落ちているものをぱっと見てそれが平面(二次元)に印刷された写真なのか、立体(三次元)なのか、を瞬時に区別します。あるいは、スーパーで積み上げられている箱を見て「ああ、落っこちそうだな、危ないな」とわかったり「あれなら大丈夫。崩れないな」などと判断したりしています。

 実は3次元空間に生きる私達にとって「立体の知覚」は生活していく上でとても重要です。立体空間では平面上の配置に加え「重量バランス」とか「展開したときの空間の感覚」などが加わってきます。私達は毎日「目に見えない重力の線」を感じたり「まっすぐは通れないけどちょっと斜めにしたら、ここ、通せるよ」といった想像力を随時使いながら、日常生活を送っているのです。

 子供達が遊ぶ「つみ木」は、実はこうした空間把握能力の養成に役立つ活動です。子供達はバランスを見ながら、そして手元の木片のサイズや形を見ながら組み上げていきますが、その際に指先を上手に使いながら、立体をどのように置いたらいいのか、選びながら(感じながら)行っていきます。

 訓練としては様々な段階があり、ふつうのいわゆる「四角い木片」の積み木をする子もいれば、もっと複雑な形の木片を積み上げていく子もいます。それぞれに重要なそうした難しい技術を、子どもたちは遊びの中で、楽しくしかし真剣に身につけて行っています。

 


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