【日常の中の、視覚的思考】

牧場設計で成功を収め、自らを「視覚で考える人」と呼ぶ、テンプル・グランディン
https://www.ted.com/talks/temple_grandin_the_world_needs_all_kinds_of_minds?language=ja

視覚型思考の特性を活かし、牛や馬の視点から牧場の設計をするそうです。

自閉症と視覚優位については、よく語られるところですが、物事や人と人との関係を視覚的な構図・構成でとらえることは、多くの分野・立場の人たちにも、日常的に役立ちます。

たとえば、○(マル)を使って、自分を中心に置き、その周りに様々な関係の人をグルリと一周○で描いて置いてみる。このことでわかるのは、「アンタも100人、オイラも100人」・・・人と人との関係、相手にとっての個人の立場・役割は、双方のつながり方によって変わる、ということです。

自分が大企業A社の社長だとして、時々通う地元のラーメン店店主との関係は「店主となじみ客」であり、町内会で草むしりに参加したとしたら、子どもたちにとっては「自治会の草むしりのオジサン」、駅の売店で新聞を買えば「売店の店員とお客さん」で、もしその時、取引先のBさんに声をかけられたら、「大企業A社の社長と取引先会社のBさん」・・・という具合に、対象となる相手によって、ワタシ=「一人十色」というわけです。

誰かがみている私の正面(その人が日常的にみている相手の姿・肩書き・言動など)は、違う関係の誰かにとっては、まったく知らない裏や270°方向にいるワタシにもなります。つまり、人の立場・役割は、限定ではなく、点滅していて相手次第でスイッチオンで入れ替わる。

日常、関わりのある人と人との関係を、一枚の紙に円で描き、視覚的に眺めてみるだけで、人は多面体であり、多くの役割や可能性をもって社会に在る、と思えるようになるのではないでしょうか。

自分の言動を俯瞰でみる、「離見の見」やアンガーマネージメントでいうところの、自分を上部後方から常時撮っているカメラ(自分を客観的に、冷静に保つための)などもありますね。
思いつくままに挙げてみましたが、視覚的に日々の日常を映し、捉え直すことで、あらためてみえてくることもあるかも、です。

日頃の子どもたちとの関わり方も、これに習って、意識のカメラを回してみることで、気づくことがあるのだと思います。

※複数の職員が、各自の視点で綴っています。


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