【お好み焼きづくり】

【お好み焼きづくり】

  中高生専用のデイサービス、くまさん横浜NEXTでは、今月は数回にわたり「お好み焼き」の活動を行いました。もともとくまさん横浜NEXTでは調理の活動を多く取っており、一ヶ月にだいたい一週間くらいはみんなで調理を行っています。これは、みんな食べることが大好きだからというだけではなく(それもありますが-笑)自立の時期が迫っている中高生にとって「調理」は大切な生活技術の一つだと考えているからです。

 人にとって「食べること」は一生のことです。もちろんレストランや食堂などで食べることもできますが、できれば自分で食べるものを自分で作る、という基本的な技術は身につけておいたに越したことがありません。もちろん、生徒たちは何から何まで完ぺきにできるというわけではないのですが、でもだからこそ「できること」を少しでも増やし、将来の自立につなげられればという思いがあります。

 「お好み焼き」もでき上がるまでには様々なプロセスがあります。水で粉を溶き、具のキャベツを刻み、それらをよく混ぜ合わせ、水を足してタネの硬さを調整し・・・とここまで上手にできて初めて「材料」ができあがります。
 そしてそれを今度は鉄板で焼かなくてはいけません。やけどをしないように上手にタネを鉄板に流し、固まり具合を見てひっくり返し、両面こんがり焼くのは、なかなか「観察力」や「判断力」が必要になります。ひっくり返すのだって、二本のフライ返しを上手に使ってタイミングよくやらなければなりませんから、なかなか技術が必要です。生徒たちは先生たちに手伝ってもらいながら、みんな自分の持ち場を上手に果たすことができました(^_^)。

 たとえ障がいを持っていたとしても、もしたったひとつ「お好み焼き」だけでも作ることができれば、将来、グループホームなどの共同生活の場で「役割」が与えられるかもしれません。また仮に一人ではできなかったとしても「誰かにこの部分だけ手伝ってもらえれば、お好み焼きを作ることができる」のであれば、人と協力することで何がしかの「居場所」ができるかもしれません。「何もできない」よりはるかに社会性の道が広がると考え、こうしたことも訓練の項目に取り入れています。

 できあがったお好み焼きは、もちろんアツアツのうちにみんなのおやつとなりました。自分で作った料理は美味しさもひとしお。みんなご覧の通りパクパク、モグモグとたくさん食べてくれました(^_^)。ちなみにNEXTでは「片付け」まで食事のプロセスの一部と考え、終わった後の後片付けやお皿洗いも自分たちでやってもらいます。毎回その日ごとに「お皿洗い当番」が決められ、その日使ったボウルや泡立て器などの調理器具、食器などを台所で上手に洗ってもらっています。

 このようにくまさんでは、小中生の調理活動と違い中高生になると「食べることを経験する」だけでなく「自分で作る」「片付けをする」ことまでトータルに体験していきます。こうしたことが将来少しでも彼らの「生きる力」を支えていける訓練になれば、とくまさんは考えています。

  くまさん横浜NEXTでは、2017年度の中高生の生徒(中1~高3)にまだ空席がございます。このようにADL・IADLを中心とした、様々な課題に子供たちが取り組んでいます。ご利用希望の保護者の皆様はどうぞお気軽にお問い合わせください(^_^)。


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