スイートポテトづくり

スイートポテトづくり








































 

【スイートポテト作り】

 

 「食欲の秋」です。そして秋といえば「焼き芋」ということで(笑)、中高生専用のデイサービス、くまさん横浜NEXT では「スイートポテト作り」を行っています。くまさん横浜では小中生のクラスでも調理の活動を行っていますが、中高生のNEXTでは「将来の自立」を意識した1レベル高い活動課題が設定されていますので、なかなか本格的です。

 

 最初にお買い物から行き、さつまいもを買うところから始まります。そう、調理活動でもまずは「自分で材料を用意する」ことから始まるのです。先生と一緒にスーパーに行き、メモを見ながらさつまいもやお砂糖など必要な材料を買い揃えます。もちろんレジでお金を支払ったり、買ったものを袋に入れて持ち帰ったりすることも訓練の一環です。

 

 材料を持ち帰ったら、袋から出し、台所できれいに洗います。そしてさつまいもを指定された大きさに庖丁で切っていきます。細かく切ったら一旦ふかし、ボウルでつぶしていきます。これがなかなか力のいる仕事なので、男の子たちに頑張ってもらいます。なめらかになってきたら、お砂糖など他の材料とよーく混ぜて、食べやすいように一口サイズの耐熱紙のカップやアルミ箔などの「型」に入れていきます。そして上から卵の黄身を塗って、オーブンで焼き上げて、できあがり!です(^_^)。

 

 焼きあがるとこんがりといい匂いが部屋中に漂います。もちろんその場でおやつになります。みんな「おいしい!」「おかわり!」とパクパク食べ、みるみるうちに口の中に消えていきます。やっぱり、中学生・高校生になったら食欲はすごいですね(苦笑)。たくさん作ってもあっという間になくなってしまいました。

 

 食べ終えた後は、もちろん「お片付け」です。自分が使ったお皿やフォークだけでなく、調理に使ったボウルやお玉、庖丁やまな板もきれいに洗ってもらいます。こうしてただ「作って食べる」だけでなく、準備から後片付けまでのすべての工程を生徒たち自身にやってもらうのが、くまさん横浜NEXTの調理活動の特徴ですが、これには理由があります。

 

 くまさん横浜NEXTに通ってきている障害児たちの多くは、将来に渡っても「誰か他人の支援を受けていかないと生きていけない」子がほとんどです。将来大人になったら、グループホームなど「他人との共同生活」で生きていく可能性があります。そんな時「自分はただ食べるだけ」ではなく、少しでも「買い物は手伝える」「調理はできないけど後片付けはできる」というように、全体のプロセスのどこか一部でも人と共同で作業を分担できれば、他人と助け合いながら共同生活をしていける可能性が高まります。

 

 そしてこうした「日常生活の訓練」は、大人になってからはじめても間に合わないのです。中学生くらいのうちから、こうして少しずつ繰り返し何回も訓練し慣れておくことが、将来、本人だけでなく周囲の支援者の負担を大きく減らすことになるのです。

 

 中高生専用のデイサービス、くまさん横浜NEXTでは、こうしたことを意識して日中活動のプログラムを行っています。ここで繰り返される活動の一つ一つは「大したことがない」かもしれません。しかし、それをコツコツと、週に2回3回と繰り返して数年が経った時、「何もしてこなかった子」と大きな差となって返ってきます。その意味で、くまさん横浜NEXTで過ごす彼らの時間は、彼らの人生における「将来への投資」の時間であるべきですし、またそうであるようにと私たちは考えています。

 

 ちなみにたくさん作ってくれたこのスイートポテト、実は職員にもお裾分けをいただきました。NEXTのお兄さん、お姉さんたち、ごちそうさまでした!(^_^)

 


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