支援介助法について
支援介助法について
【支援介助法について】
障がいを持つ子供たちの多くは、自分の意志や希望を言葉で上手に伝えたり、表現したりすることができません。「伝えたい事があるのに伝えられない」フラストレーションが高まると、時にパニックに陥ることがあります。
パニックには様々な状態がありますが、自身で感情や運動のコントロールが効かなくなるため「大きな声を上げて叫んだり」「ものにあたったり」、ひどくなると自分の頭や顔を殴る「自傷行為」や他人を殴ったり噛みついたりする「他害行為」に及ぶこともあります。
私達、障がい児の事業所の職員は、こういう状況をもちろん止めなければいけないのですが、かといって暴力を使うわけにはいきません。子供を叩いたり殴ったりすることなく傷つけずに、しかも職員も傷つかないようにパニックを抑えなくてはならないのですが、これがなかなか大変なことでして、特に慣れていない初心者の職員は、つい「力づく」で「ムキになって」対処しがちなのが現実です。
こうした状況に対し「力で抑えずにパニックを沈静化する」ことを目的とした介助技術の一つに「支援介助法」があります。現在発売中の教育雑誌「小一教育技術」の6月号(小学館発行)で、この「支援介助法」の具体的な方法が巻頭カラーで特集されていましたので、さっそく購入して読んでみました。
パニック中の子供が接近してきても上手に対処する具体的な動作方法が写真入りで解説してあり、分かりやすかったので、さっそく抜き刷りをラミネートして職員室の見やすい場所に吊るして、みんなで見られるようにしました。
支援介助法の開発者の廣木道心先生は、介護福祉士でご自身も福祉のお仕事をされる一方で「護道」という武道の宗家でもいらっしゃいます。ご長男が自閉症で、子供の頃からその対応を日々されている中、武道の技術で「相手を傷つけず、かつ自分も傷つけずに場を収める」方法を開発されました。今、多くの介護事業所や大学などでその方法が採用されています。
この「小一教育技術」という雑誌は、もともと障がい児に関係のない、一般の学校の先生向けの教育誌です。こうした雑誌に「障がい児の対応の特集」が組まれること自体、障がいへの取り組みが社会全体で広がってきているのだなあ、としみじみと思いました。
くまさん横浜では、以前よりこの「支援介助法」に注目しており、廣木道心先生と親しくお話しさせていただいたりしております。一箇所でも多くの障がいを持つ子供たちの現場に、こうした「子供たちを傷つけず、職員も傷つかない」技術が普及することを願ってやみません。
★「小一教育技術」詳しくはこちら(Amazonのページ)
★支援介助法協会 公式サイトは こちら
★廣木道心先生のブログは こちら
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