ひも通し

ひも通し


















 

【ひも通し】

 

 くまさん横浜では障がい児たちの指導訓練を行っています。それぞれの児童によって障害特性や今期の目標などが異なるので、何をやるかはその日によってあるいはその子によって違うのですが、多くの児童が「指先の巧緻性」については課題になっていることが多いです。

 

 人間は、その歴史の中で直立二足歩行になり、手が自由になった時から脳が急速に発達したと言われています。手を使うことは、同時に脳を刺激することでもあります。モンテッソーリ教育などでも提唱されていますが、幼い頃から手をよく使うと、子供の脳に刺激を与え知能の発達を促すとよく言われています。

 

 くまさん横浜では、そうした指先の巧緻性を訓練する療育器具のひとつに「ひも通し」があります。穴の空いた円筒形の木に、縄を通していく道具です。この木の穴のサイズと縄の直径のバランスが絶妙に計算されており、入れる際にちょっと工夫と注意を要しますが、これが良い訓練になるのです。

 縄の先端を円筒の輪っかの中にうまくきちんと差しこみ、するすると通していきます。うまく入ればヒモの一番下までストンと落ちます。手元のおぼつかない子だと、なかなか入れるのが難しいのですが、そこは先生に手を添えてもらって頑張ります。

 

 こうした基礎的な動作の訓練は、一見地味で、それ自体は退屈そうに見えますが、しかし汎用性が高く、日常生活の中の様々な動作に応用できるスキルのトレーニングになります。こうしたことを僅かな時間でもコツコツやっておくことは、積み重ねとしてとても大事で、例えば、野球選手を目指す子が毎日キャッチボールをするのと同じような効果を期待できます。

 障害を持った子供たちは、通常の健常児よりも身に付けるべき技術の数が多く、そして克服すべきレベルも高いです。もちろん学校やご家庭でもやっているとは思いますが、くまさん横浜では、遊びの中でこうしたことを繰り返しホメられながら、子供たちが訓練しています(^_^)。


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