人、在り。

人、在り。


 

 【人、在り。】

 

 人が人とが、物事を行う際、それぞれの立場やポジションの中で、何某かの役割を担います。 それは仕事も、私的な活動も、スポーツでも同じです。

一個の人間が、「社会」というフィールドで暮らすとき、栄えあるレギュラーや主力を務める人もいれば、下支えや下積みのままの人もいます。

人の評価は、ある場面を切り取っての活躍の行為・行動、結果に目がいきがちですが、社会の中で「強・弱」や「巧・拙」のいろんな人間と人間が混在し、組み合わさって、一緒になにかを行うことには、どんな意味合いがあるのでしょう?

人が人に対する、どんな想いと振る舞いが、「場」のチカラや、日々に向き合うための勇むチカラを醸成するのでしょう?

 

今でも時々、読み返す好きな対談記事があります。
「25番目のピース」 

http://www.1101.com/taguchi_2009/index.html

メジャーリーガー時代の田口壮さんの話。

 

レギュラー選手としての出番に恵まれず、ずっとベンチを温めていた田口さん。出場機会を求めて、ことあるごとに監督と野球理論を展開したり、思考する中で辿りついた答えとは?

「25番目」とは、ベンチに入れる最後の選手のこと。その選手が、どんな振る舞いをすればいいのか。「チームをパズルに例えたら、最後の最後にベンチに入る(出場機会を得る)選手として、ちゃんとはまらないとチームとしての強さを発揮できないだろう」・・・そう考えた田口さんは、どんな考動をとったのでしょう。

 

対談の第5回~7回くらいを読んでいただくといいかもです。(関心のある方は最初から)
http://www.1101.com/taguchi_2009/2009-02-06.html
http://www.1101.com/taguchi_2009/2009-02-09.html
http://www.1101.com/taguchi_2009/2009-02-10.html

対談の中で、田口さんが以下のように話しています。試合にほとんど出なかった自分への監督やチームメイトからの評価です。

 

「 レギュラーの選手で、『あいつがいるから勝てるんだ』と言ってくれた選手もいます」 「監督室に乗り込むと、 最後は必ず、真っ赤になりながら「かならずオレたちといっしょにいろ!」って言われて終わるんですよ。『おまえは絶対に必要なんだ。だから、離れるな』って怒りながら。

いろんな個性や特性をもった一人ひとりの人間が、「社会」というフィールドを構成し、集団の中で、人が認められていくということ。

スポーツでも、公私生活においても、誰もが主役やレギュラーポジションを獲得できるわけではありません。しかしながら、たとえ目立つポジションや活躍の場を得られなくても、その存在自体が、いろんな立場の人を支え、そして社会が成り立っている。

 

「あいつがいるから○○○できるんだ」「あなたの存在や、目に見えにくい日頃の下支えを含めて“成功”なんだ」 「おまえは絶対に必要なんだ。だから、離れるな」

 

理想ではありますが、すべての場や人と人との関わり合いが、そうあって欲しい。

人は、人から、いろんなチカラをもらって生きている。

 

様々な特性や生きづらさをかかえた子どもの親や、私たちのような職務にいるものだけでなく、社会に暮らす誰もが、障害の有無をこえて、周囲の身近な人の存在や弱さをもっともっと認めていけるような世の中に、弱さを強さに変えて関わり合っていけたらいいですね。

これまでいろんなことがあっての現在のニッポンの情勢ですから、難しさは持続的に伴うのでしょうが、まずは自分がそう思い、人に相対することの積み重ねから始まるのでしょう。

 

【本日の届け歌♪】 マイライフ  https://goo.gl/yDoLBp

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