できること、できないこと。

できること、できないこと。


「できることと、できない(やらない)ことをきちんと伝えているか」

 

当事業所がお預かりをしているのは、小1~中3までの児童。

高校生はお預かりをしておりません。

 

これまで多くの保護者の方からもご要望・お問合せをいただきましたが、申し訳ありませんが、高校生預かりは実施しておりません。多くの事業所が小1~高3までの児童をお預かりをする中で、それをしないのはもちろん理由があるからです。

 

一つは、体躯の違いです。

放課後等デイサービスには毎日、児童たちが集います。小学校低学年と高学年だけ比べてみてもずいぶんと違います。発育に応じた腕力・体力も、動きも、感情面も違います。中学生、そして高校生ともなれば、尚更です。

当事業所は、放課後等デイサービスの中では、かなり広い方だと認識していますが、それでも限られたスペースに小学生~高校生が一堂に会すことは、子どもたちの安全面からみて難しい、というのが私たちの考えです。なにかがあってからでは

遅いからです。

 

もう一つは、支援内容の違いです。

高校生という時期に、放課後等デイサービスの立場からどんなことをしてあげれば

よいのか? 社会に踏み出す前、就労支援を念頭に置いた支援と環境が必要になります。一例としては、机の活動を主体にしてパーテーションで仕切り、アイパッド等を活用した学習や手先を使う活動時間に集中してもらうための環境づくり、構造化などがあります。

 

「高校生」を対象にした場合、別角度で検討・準備しなければいけない要素が含まれていますが、放課後等デイサービスの利用比率は、小学生がとても多いのが一般的です。小1~高3までの児童を同時預かりにした場合、場の環境は多く利用する児童たちに合わせてつくられることになります。事業所の運営的なことだけを考えれば、それでもいいのかもしれませんが、やはり違うだろうというのが、開所以来の私たちの考え方です。

 

とはいえ、多くのご要望にどう応えていくべきか。くまさん横浜でも、今年開所した中・高校生対象の「くまさん保谷教室」に習った、児童の受入れ場所が必要だと考えています。実現に向けて、一つひとつ課題を解決しながら実現させたいと考えています。

 

冒頭の一文は、テレビ番組で「歯科医に訊いた『良い歯科医(医院)の見分け方』」という質問での上位回答でした。「自分の所は、なにが得意で、なにが不得手(取捨選択の中で、この治療はやらない)か、をきちんと患者に伝えているか」。患者の希望する治療内容によっては、他の医院を薦めるなどが、信用・信頼できる歯科医の基準の一つになるといいます。

 

これは分野や公私をこえて言えることでしょう。個人的には、特に後半の「なにができないのか=なにをやらないか」を伝えることは大切なことだと考えています。世の中に発信される商品・サービスのすべてにおいて、それを提供する側からの「できること」についてのメリットはあれこれと伝え語られます。一方で、自社(所)の「できない=やらない」ことを明確に伝えることは案外、消極的なような気がします。

 

できない=やらないことの発信は、人としての組織の想い・理念、物事に取り組む姿勢があるか、ということでもあると思っています。

※くまさん横浜のブログは、複数の書き手が様々な視点で日々の活動を綴っています。


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