シャツ畳み

シャツ畳み













 【シャツ畳み】

 

 くまさん横浜には現在、横浜市内の9つの学校から児童が集まっています。中学生の中には、制服のある学校から帰りに直接寄ってくる子もおり、そんな子たちは、到着後にまず着替えを行います。

 

 くまさん横浜では「日常生活に役立つ動作の訓練」を大切にしており、その中の一つに「着替えの畳み」があります。自分で脱いだシャツやズボンを畳むのですが、これが多くの子供たちとってはなかなかチャレンジな課題になります。

 中でも「ボタンを穴にはめていく」作業は、多くの児童にとってかなり困難なのですが、だからこそ逆に、指先の巧緻性の良い訓練となる、と考えて積極的に取り組んでいます。

 

 写真はそうした中学生の一人、中1のH君です。男の子が制服の下に着ているワイシャツは、前面にボタンがずらりとあるだけでなく、袖にも何箇所かあり、練習をするにはもってこいの服です(苦笑)。今、彼は一生懸命に、くまさんに来るたびにこれを訓練しています。

 

 職員がひとりついて、やり方を見せ、手をとって手伝い、声をかけて励ましながら、一つ一つのボタンをかけていきます。かけ終わったらシャツを広げて袖畳みにします。またTシャツなどがある日はTシャツも畳みます。

 最初はなかなか集中力が続かず、途中で投げ出す日もありましたが、根気よく続けていくうちに次第に上手になり、最近では集中して最後まで取り組めるようになってきました。

 

 きちんとできたら、職員は最後に沢山ほめてあげます。「えらいねー!H君、よく頑張った!」「すごい!今日はいつもより早かったね!だんだん上手になってるるよ!」と、沢山ほめられると、H君もちょっとはにかんで嬉しそうにニコッとしてくれます。

 

 くまさんでは、子供を「ほめること」をとても大切にしています。子供たちは、何か困難なチャレンジを与えられても、大人が子どもと同じ目線に立って励まし、達成した時にホメてもらうことで人格を尊重されたと感じられれば、課題への内発的動機を喚起-継続することができるのです。

 たとえ子供であっても障害があっても、いやだからこそ、一人の人間として、その努力を最大限賞賛してあげること。このことで子供たちは「やる気」と「努力」を持続します。そして持続することで、結局、上達をしていくのです。

 

 H君が近い将来、一人でワイシャツのボタンをスラスラと止めて、ささっとシャツを畳める日を目標に、今日も職員たちは声をかけ、ほめ続けています(^_^)。

 


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