【「18歳の壁」という講座を行いました】

【「18歳の壁」という講座を行いました】

 「18歳の壁」という言葉をご存知ですか?

     障害を持つ子どもたちが18歳で支援学校の高等部を卒業すると、その先は「大人」として社会に扱われます。そしてこれにより、障害者を支援する社会の体制がガラッと変わり、子どもたちだけでなく、保護者やご家族にとっても、生活のかたちが大きく変わります。

 例えば子どものうちは「放課後デイ」「学校」に何でも相談できましたし、朝学校に子どもを送り出したら夕方まで預かってもらえました。 しかし成人すると進路先となる成人の作業所は「職場」です。子供時代ほどプライベートなことには立ち入りませんし、そもそもその「職場」はだいたい終業が15時頃。お子さんは学校の頃より早く自宅に帰ってきます。

 ですので保護者の方はそれに合わせて仕事を切り上げて帰宅しないといけません。そして土日祝はお休みです。放課後デイは土日も開所している事業所があり(くまさんも土曜日は開所しています)、週末に預けておくことができましたが、成人になるとそれもありません。

 こうしたことを埋める制度として「相談支援」「移動支援」「訪問介護」「日中一時支援」・・・・などの制度や仕組みはあるのですが、問題は、子どものうちは行政や学校などが「そんな時はこういうサービスがあります」「そろそろこういうところを見てみてください」と時期が来たら情報提供をしてくれたのですが、成人になるとそれはないのです。

 日本の行政手続は原則「申請主義」なので、自分で必要なサービスを調べて、使いたい事業所をピックアップし、そこの事業所と直接申込みや利用の交渉などをしないとサービスの利用ができません。役所や相談支援事業所を利用するとしても、まず自分で先方とアポを取ってそこで初めて「相談」ができます。

 ですから大人になったら、まずはご家庭で福祉制度についてのさまざまな情報を調べ、自分と子どもが必要としているサービスには何があるのか、そしてそれが近所にあるのか、さらな利用できる条件は何なのか・・・などということを調べあげ、それらを取捨選択して各事業所の日程や時間などの調整をし、それに合わせて保護者の仕事の日や時間などを組み立てて・・・・といった作業がご家庭で必要になってくるのです。

 こうしたことが高校卒業と同時に突然来るため、これが「18歳の壁」と呼ばれています。

 日本自閉症協会の会報でおこなわれた保護者アンケートでは、実際にお子さんが18歳以上の保護者の76%が「18歳の壁があった」と回答し、18歳未満の保護者の53%が「不安がある」と回答しています。

 そこで、くまさん横浜ではこうしたことを保護者向けにお伝えするため、この「18歳の壁」の講座を契約保護者向けにZOOMで開催しています。

 この「18歳の壁」には大きく分けて5つあり、それぞれの「壁」を、「困りごと」「起こりやすい理由」「早めにできる準備」に分けて整理してお伝えしています。

▼5つの壁

01 行き先が見つけにくい
02 親の仕事との両立が難しい
03 土日・長期休みの過ごし方
04 相談先が変わっていく
05 送迎・通所の手段さがし

 くまさんの児童は「重い子」たちが多いため、昨日は「生活介護、就労継続支援B型、グループホーム(共同生活援助)のちがい」「横浜市で成人サービスの利用を始めるまでの大きな流れ」といったことのほか「よくある不安へのQ&A」「今から(少しずつ)できることリスト」などについてもお話しました。ご参加の保護者の皆様は熱心にお聞きいただき、質疑応答もある充実した講座となりました。

 くまさん横浜では、中学生になったら中高生専用の放デイ「くまさん横浜NEXT」に進級します。そして「卒業後」のことを視野に入れ、「就労講座」「事業所見学」など、こうした活動に保護者の方にもご参加いただきます。

 中学生になったらこの「18歳の壁」まで5年。もう「遠い話」ではありません。「卒業後」の人生のほうが長いので、ここはじっくりと長い時間をかけてご家庭で準備を進めていく必要があります。くまさん横浜はそうしたことにも寄り添って保護者に情報提供している放課後等デイサービスです。


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