【ひも結びの練習】

【ひも結びの練習】

 くまさん横浜では子どもたちに、様々な「生活技術」の訓練をしています。「ひも結び」もそんな訓練の一つ。「かた結び」「ちょうちょ結び」など、日常生活の中でひもや糸を結ぶ場面はたくさんありますから、こうしたことが上手にできるようになれば、将来、大人になったときに生活するのが楽になります。

 最初のうちはやりやすいように、ボードにひもをつけた道具で練習をします。やはり最初はひもが太くて大きいほうが結びやすいのです。

 そして慣れてきたら靴を形どった練習ボードでチャレンジ。「靴のひも」は、細くて短く動作が細かくなるので難しいのですが、ほとんど毎日結ぶものです。早いうちからこうした具体的なイメージを持ち慣れておくと、動作の習得に大きな違いが出てきます。

 私達の日常生活は、ほとんど意識されない「小さな動作」の積み重ねです。しかしそれぞれは身体操作の「技術」であることを意識的に捉え、工夫された訓練を行うことで上達していくことができます。

 たとえば「靴ひも」一つとっても、もしお出かけの時にほどけてしまっても、もし「靴ひも結びの達人」になっていれば、ササッと数秒で結べてしまいます。

    そしてそうなるには「繰り返しの練習」によって身につけるしかありません。技術の上達は基本的に「量質転化」と言って、たくさんの「量」をこなすことで「質」が向上していくという性質を持つからです。

 障害ある子どもたちはその障害ゆえに「ふつう」の日常生活を送る事自体が困難です。しかしこうして色々なことを「うまく」やっていけて「生活動作の達人」になれれば、大人になった時に、より「楽に生きていく」ことができます。

 くまさん横浜では、子どもたちが「大人になった時」に少しでも生きやすくなるための、いろいろな練習を重ねています。毎日の努力の成果はコツコツと微々たるものですが、くまさんで過ごした時間の積み重ねが、やがて大人になった時に大きな違いになることを信じて頑張っています。


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