【くまさん横浜の「食」の活動】

【くまさん横浜の「食」の活動】

 くまさん横浜では「おやつを自分たちで作る」活動を頻繁に行っています。一ヶ月のうち、必ず1週間、多いと2週間くらいはこうした「食の活動」を行うのですが、これにはいくつかの理由があります。

 一つには子どもたちに、できるだけ手作りのおやつを食べてほしい、という理由です。もちろん活動の都合などで、袋菓子などのおやつにする日も多いのですが、でも子供達には少しでも栄養価が高く、新鮮で、よけいな添加物などがないおやつを、食べてもらいたいのです。

 二つ目は「食べるものは自分で作れる」ということを実感してもらいたい、という理由です。子どもはご家庭でもレストランでも給食でも「食卓につけば食べるものが出てくる」毎日を送っています。でもそうしたものは誰かが作っていて、子供達の口にまで届けています。そしてそれに自分も参加できることを知ってほしいと思っています。

 三つ目は「お友達と一緒に共同作業をやる」ことを体験してほしいということです。くまさん横浜では、その後の障害特性や能力に合わせて、調理のプロセスを分解し、当日参加の一人一人の子どもにそれぞれ役割を担って貰います。例えば先週は「カップケーキ」を作りました。卵を割る子、牛乳をカップで量る子、粉を入れる子、できあがったタネをオタマですくってカップに入れる子・・・それぞれ子どもたちが自分の担当と役割を持って、時に先生やお友達に助けられながらも、どこかのプロセスに参加し、その責任を果たします。誰が一人欠けてもカップケーキはできません。

 そして四つ目は、調理器具の使い方を覚えること、です。ご家庭の台所にも、オタマとかボウルとか、電子レンジやホットプレートなど、様々な調理の道具があります。「見たことはあるけど触ったことはない」ものを少しずつでも子供のうちから経験していくことは、意味のあることだと考えています。

 もちろん、できあがったケーキはアツアツのうちに、みんなで美味しくいただきました。やっぱり「自分が作るプロセスに参加する」と格別なのか、多くの子供達がおやつをぺろりと食べてお代わりしました。中にはふだん、ホットケーキやスポンジケーキなど食べない子が、みんなと一緒にワイワイやっているうちに勢いで食べてしまい、食べられるようになって保護者が驚いた、などということもありました(笑)。

 くまさん横浜では、企画会議の段階から、ヤケドやケガなどがないような調理を考え、当日も細心の注意をはらいながら、子どもたちにこうした「調理を体験してもらう」よう努めています。「食べること」は誰にとっても一生のことです。子供のうちからこうしたことを経験することによって、将来、大人になった時に、彼らの人生のどこかで役に立つことを願っています。


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