【指先の巧緻性を育む訓練-プットイン】

【指先の巧緻性を育む訓練-プットイン】

  くまさん横浜では、こども達にいろいろな指導訓練を行っていますが、指先の巧緻性の向上訓練の一つに「プットイン」と呼ばれる療育玩具があります。

 これは読んで字のごとく「押し込む」動作の訓練に使う道具なのですが、くまさん横浜には段階を追って数種類のプットインを用意しており、一言で「押し込む訓練」と言ってもいろいろなものがあります。

 最初は粉ミルクの缶を利用して作った手作りの道具です。フタに十字の切れ目が入っており、これに積み木の木片を押し込んでいきます。この際フタが適度な抵抗を生みますから、少し力を入れて「押し込む」ようにしないと入りません。これがこども達にとって良い訓練になります。それでもこれは多少左右にずれていても入っていき、さほど難易度は高くありません。

 それに慣れてきたら、少し難しいものを用意します。「貯金箱にコインを入れる」訓練です。これはミルク缶と違って、コインの形に空いた細長い穴にピッタリ平行にコインを入れないと入りません。十字に交わるような形になってはもちろん入りませんが、角度が斜めに1mmズレても入りません。ここがなかなか難しいところです。

 しかし最も難しいのは「ダミー」が用意されているプットインです。どういうことかというと、貯金箱のような「コインを入れる穴」が複数平行に並んでいて、そのうちの幾つかは長さが足りず、コインが入らない「ダミー穴」なのです。「コインを途中まで穴に入れてみて、先端しか入らないと分かったら違う穴を試しに行く」というのは、実は指先だけでなく高度に知的な作業です。

 ・・・と、実は提供する側はこのように色々な意図や目的を持って行っていますが、こども達はご覧のとおり、ニコニコしながら遊んでいます。「なかなか入りそうで入らない」というのはゲーム性もあるため、楽しい遊びの一つになっているようです(^_^)。

 子どもたちの技術を訓練していくことは、一朝一夕では達成できず、時間がかかります。つまり、続けて何度も繰り返すことが大事な要素なのです。それにはやはり、子どもたちが楽しくて繰り返したくなるような課目がよいのです。昔から「好きこそものの上手なれ」と言いますが、好きなこと→楽しい→楽しいから繰り返す→上達する というプロセスを子どもたちにたどってもらうこと、これがくまさん横浜の目指している療育の姿の一つです。

 くまさん横浜はこれからも「こども達が楽しく遊びながら役に立つ経験を積み、上達していく」デイサービスでありたいと考えています。


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