点灯せよ。

点灯せよ。


 

「点灯」は、「自分の存在を知らせる」ために行う行為でもある。

 

車のオートライト(自動点灯)搭載が、2020年4月以降の新車に義務化と発表されたのは今年9月のこと。見える・見えやすいから任意で点けるのでなく、ライトが点くことで、周囲へ「伝達」される意味合いがあります。夕暮れの視野・視界が落ちてくる時間帯に、相手に自分の存在をいち早く察知してもらう。

「点灯」は、言わば、車の運転を通した「メッセージの発信」と言えるのでしょう。

 

人は、それぞれの暮らしの中でさまざまな「点灯」を行っています。メディアが多様化した現代における公私や団体・個人の言葉や画像・動画などの発信も、日々、の「点灯」と言えるでしょう。

子どもたちが私たちのような場に通うご家庭や、高齢者を家族にもち、各事業所を利用するご家庭、受け入れる側の「福祉」と呼ばれる分野でもそうですね。各地域で、各種の会に属したり、利用者×利用所間で面談をしたり、連絡帳でのやりとりをしたりと、人や場の数に応じて「点灯」することを繰り返しています。

 

暮らしの中の「点灯」でたいせつだな、と思うことは、意識的であること。人の暮らしの数だけ、問題・課題、障壁は存在し、それぞれがそれぞれの場での灯りを灯す方法で、解決や完結への手立てを打っていく必要もあるでしょう。

 

「点灯」を「意識的なメッセージの発信」と言いましたが、「自分は、いま、ここにいます」「生きて、ここに在る」ということを、周囲の相手に発信すると同時に、「意識的に自分に語りかける」ことでもあるのだと思っています。そうすることで、明日の自分につながっていくこともあるのでしょう。

 

保護者の皆さんは子どもたちへ、私たち事業所や各職員も子どもたちやご家庭へ、地域社会へ。意識的な「点灯」を創りだし、どんな対話や活動、言葉やかたちにならない想い・時間を届けることで、発達の一助となり得るのか。

今年も後一カ月足らずとなった12月のある日に、そんなことを思うのでした。

 

※本記事は、各職員がそれぞれの立場・視点で綴っています。

 


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