おやつも、訓練。
おやつも、訓練。
【おやつも、訓練。】
くまさん横浜で子供たちがもっとも楽しみにしている時間、それはおやつの時間です(笑)。おやつはいつも買い物活動で買ってきた袋菓子を中心に出しています(「調理活動」の日は、みんなで活動で作った料理を食べます)。
もちろん子供によって食物アレルギーや、食べられる/食べられないの問題がありますので、人によって多少モノが変わる場合がありますが「おやつ代」として保護者から頂いている100円分のお菓子を食べてもらっています。
そして、くまさん横浜の「おやつ」は、実はただ食べるだけではありません。
食べる前に手を洗い「いただきます」をするのはもちろんですが、いくつものルールが決められています。
【くまさん横浜のおやつルール】
1.まず「座席カード」を先生からもらい、その日決められた「色」と
「番号」の座席に座る
2.配られたもので自分が取り替えたいものがあったら「交換」できる。
ただし未開封のものに限る。
3.一回だけ「おかわり」ができる。その場合、座席カードの裏面が
「おかわりカード」になっているので、それを係の先生に持って
行って「おかわりください」と申告し、カードと引き換えに、当日の
おやつカゴの中から好きな一品をもらう
4.食べ終わったら手を合わせて「ごちそうさま」をする
5.「ごちそうさま」のあと、お茶の飲み残し→バケツへ、お菓子の
包装紙のゴミ→くずかごへ、食器→食器カゴへと、それぞれ
決められた場所へ「お片づけ」をする
・・・と、おやつの時間は実は、これだけのことをルールに従って
こなしていかなくてはなりません。そしてこれらはプロセスごとに
さまざまな訓練課題が設定されています。
たとえば「指定席に座る」のは、列車や飛行機に乗る時の訓練になり
ます。また、全員が自分の席について「いただきます」するまで手を
付けてはいけないのは「自分がしたいことを我慢してでも、他人と一緒に
行動する」社会性を育てる重要な訓練です。
そして「未開封のお菓子に限って交換できる」と「条件」が
決められているのは、条件によって希望が叶う場合とかなわない場合が
あるという「条件づけ」という概念の学習を意図しています。これは
社会では「購入商品の返品」など「Aの条件を満たした場合にBができる」
といった概念の訓練となっています。
それから「おかわり」の仕組みは、カードを「お金」に見立てた擬似的な
「お買い物」すなわち「有価証券と商品を交換する」訓練が意図されて
います。先生方はカードを忘れてきた子には決しておかわりをあげません
から、みんな慌ててテーブルに取りに戻ることになります(笑)。
もちろん食べたあとに「お茶の飲み残し」「ゴミ」「食器」と分けて
それぞれの場所に収めるのは「ゴミの分別」の初歩的な訓練です。
と、こうしたルールを毎日毎日繰り返すことで、子供たちは楽しくおやつを
食べながら、自然とさまざまな生活技術を身につけていけるようになります。
もう慣れている上級生のお兄ちゃん、おねえちゃんたちは、低学年の子達が
「いただきます」の前にお茶を飲もうとしたら「だめだよ!」「まだだよ」
と止めに入ったりしています(^_^)。
とはいえ、さすがに子供たちのおやつの時間は、堅苦しさのない、
ワイワイとおしゃべりが弾み笑顔あふれる楽しい時間です。いつの時代でも
子供たちはみーんな、おやつが大好きですよね(^_^)。
くまさん横浜では、こうした「楽しみながら、ためになる」訓練を
いつも子供たちと行っています。今日もきっと「いただきまーす!」の
カワイイ声が、室内に響くことでしょう。
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