子どもどうしの関わりあい

子どもどうしの関わりあい






 

【子どもどうしの関わりあい】

 

 くまさん横浜は、定員10名のこぢんまりした事業所なのですが、現在、横浜市内の4区(港南区・栄区・戸塚区・磯子区)の9つの学校から小中学生が通ってきています。ですから、子供たちはくまさんに来ると、毎回必ず「違う学校の児童」「違う地域の児童」と会うことになります。

 

 みんなと一緒に「集団活動」をする時、やはりメンバーに「バリエーション」がある方がいいということを、現場で子供たちを見て感じます。男の子だけ、女の子だけ、よりもやはり「共学」の方が良いですし、同い年だけでなく自分より年上/年下の子がいたり、近所の子もいれば遠方の子もいるといいのです。おとなしくクッションで本を読むのが好きな子もいれば、走り回るのが好きな元気な子もいて、その両方ともいたほうが良いのですね。

 

 室内にそうした「多様性」があればあるほど、子供たちは人にはさまざまな「属性」があることを肌で感じ、自分との違いを感じ、自然に「人との関わりあい」を学んでいきます(本当は言葉や習慣が全く違う外国人の児童などもいると理想的なのですが、まだ実現していません)。

 

 「知らない人たちと共同で作業をする」のには、一定の技術が必要です。言葉遣いや態度によって相手との距離や関係を測ったり、挨拶をしたり適切な言葉をかけたり、タイミングよく手を差し伸べたり・・・といったことです。また、一つの目的に向かってチームで何かを作業する場合、「目的共有」「役割分担」なども必要になります。そしてこれらは、社会に出た時にもっとも必要なスキルの一つです。

 

 オトナになって社会に出たら、相手がいつも自分の知っている人、気心がしれている人ばかりとは限りません。それどころか、初めて会った人や、イヤな相手とでも一緒に何かをしたり、交渉したりしていかなくては生きていけません。実は発達障害や自閉症、アスペルガーなどの児童たちはこういう分野が苦手です。であるからこそ、まさに小さいうちから訓練や練習が必要なわけで、そのためには「多様性ある集団」の中で人との関わり方を練習していくのが望ましいと、私たちは考えています。

 

 くまさん横浜では、こうして集団活動の中で「よく知らない他校の子とともに何かをすること」を子供たちが学んでいきます。

 

 もちろん、いつも自分のしたいことが通るとは限りません。順番を待ったり、人に譲ったりすることも必要な時があります。で、そうしたことをうまくできないと時に「小競り合い」が起こったり、おもちゃなどの「取り合い」が子供たちの間で起こることもあります。くまさん横浜の先生たちは、上記のような趣旨からある程度「摩擦」「いさかい」も体験として必要と考えており、そうした時は注意深く見守りながら、子供にある程度の範囲で続けてもらいます(強い暴力に訴え始めたり、パニックになり始めると、飛んで入って「レフェリーストップ」になります)。

 

 その意味で、子供たちが放課後に過ごすくまさん横浜は、一つの小さな「社会」の疑似体験を積む場となっており、ご自宅や学校とはまた違う環境で子供たちに貴重な体験をしていっていただきたいと考えています。

 

 くまさん横浜の子供たちは、大人の先生たちとだけでなく、子供たちどうしでもこうして関わりあい、学び、育っております(^_^)。

 


※くまさん横浜では、児童の写真は保護者の許可を得て掲載しております。
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