手をつなぐ

手をつなぐ


















 

 【手をつなぐ】

 

 くまさん横浜では、児童の屋外での移動の際、職員が必ず手をつなぎます。

公園やお買い物などの時はもちろん、送迎車への乗車/降車時にも必ず

手をつないで階段を昇降していますから、実は「職員が児童と手をつなが

ない日」は一日たりとてありません。

 この「手をつなぐ」スキンシップは、もの言えぬ児童にとって実は案外重要なことです。彼らは言語によるコミュニケーションに頼れない場合が多いので、五感のうち「触覚」を介して、職員とお互いに「ひとつに」なります。

 

 ですから、パニックになりかけた時、職員の手を握ることで落ち着く子がいます。あるいは階段でマンションの他の住人に会ったりして(くまさん横浜はマンションの3Fにあります)、ちょっとドキドキした時、自然に職員の手をギューッと握る子もいます。また、職員に一緒に遊んで欲しい時、笑顔で手を握って引っ張ってくる子もいます。このように、手は子供たちの様々な「表現の道具」としても使われているのです。

 

 一方で職員の側も、慣れてくると、子供たちの手を握っていることで、色々なことがわかってきます。「熱っぽい」とか「あまり元気がない」といったことはもちろんですが、体の動きの「起こり」を捉えて感じることができるようになってきます。手をつないで歩いている時に

 

「あ、○○君、そっちじゃないよ。ほら。よく足元見て。」

「□□さん、どうしたの? 止まらないで、行くよー」

 

 と、自然と「体が動こうとしている方向」を、つないだ掌のうちで感じるようになってくることができるのです。子供が「動いて引っ張っている」から分かるのではなく、「これから動こうとする」ことを手のひらで感じるわけです。

 

 手の感覚は不思議です。子供たちと手をつないでいると、ふと何も話さなくても感覚や感情を共有している、と感じることがあります。そんな時、職員たちはこの仕事に奉職している醍醐味を感じ、幸せな気分になります。

 

 秋晴れの気持ちの良い日、公園で子供たちと手をつないで嬉しそうにニコニコしているオレンジ色の制服の大人がいたら、それはきっとくまさん横浜の職員です。先生たちはみんな、子供たちと手をつなぐのが大好きです(^_^)。

 


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