UNOがはやっています。
UNOがはやっています。
くまさん横浜は、知的障がい児の施設です。
ただ「知的障がい」とひと言で言っても、その内容にはずいぶん個人差があります。障害の軽/重もありますが、分野も様々ですから、中には一見、ふつうの健常児童と変わらない(ように見える)子もいます。障がい児たちに毎日接していると、世間一般にある「知的障害児=何もできない」という先入観のイメージを覆されることがよくあります。
たとえば自閉症やアスペルガーの子どもたちは、興味のない分野には見向きもしない一方で「ある特定の分野」に興味を集中させる傾向があります。集中するわけですから上達が早く、(もし本人が気に入れば、ですが)たとえば折り紙が得意になったり、工作やお絵描きなどが抜群に上手になったりします。また記憶力がよい子も多く、半年前に来た来訪者の名前を覚えていたり、IQが100を超える子もいて驚かされます。
こうした特徴は「障害」というよりむしろ「長所」と呼ぶべきもので、これらの能力を将来の就労に活かす手立てはないものだろうかと、日々、職員たちは考えています。
写真は、最近、一部の児童の間ではやっているUNO(ウノ)というカードゲームです。トランプのように数字や色でいろいろな機能を持ったカードを、状況を判断しながら出し合っていくのですが、大人でもなかなか頭を使うゲームです。全体のルールを覚え、一つ一つのカードの機能を覚え、他人の出す札で刻々と変わる状況を判断しながら、手札を出して切っていきます。こうした複雑かつ知的な作業をこなせる児童もいるのです。
くまさん横浜では、一部の児童の訓練にこうしたカードゲームを取り入れており、知的発達を促す訓練をしています。子どもたちが職員と頭をひねりながらゲームをしている様子は、とても「障がい児」とは思えません。しかも時々、職員が負けています(笑)。
もちろんすべての児童がカードゲームができるわけではありません。が、くまさん横浜では、その児童の発達に応じた適切な指導訓練を、児童が楽しめる形で毎日行っています。そしてこうした毎日の積み重ねが何らかの形で、将来、子供たちの役に立つことを願っております。
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