【難しい調理活動をやる理由】
【難しい調理活動をやる理由】
今週、くまさん横浜の小学生たちは、おやつの時間に本格的な「ハヤシライス」づくりに挑戦しています。ピーマンやナス、玉ねぎといった野菜をたっぷり使い、栄養満点のおやつをみんなが自分の手で作っています。
このうちピーマンとナスは、庭にある「くまさん農園」で、子どもたちが自分で育てた無農薬野菜です。自分たちで苗を植え、水をやり、草取りをし、収穫し、そして自分たちの手で調理していただく。この一連の流れを子どもたち自身が経験できることを、くまさんでは大切にしています。
炒める具材は、あらかじめフードプロセッサを使ってできるだけ細かくみじん切りにします。嚥下(えんげ)に配慮が必要な子どもたちでも安心して食べられるよう、そして野菜が苦手な子たちでも抵抗なく食べられるよう、細かく、なめらかに仕上げてからフライパンで炒めに入ります。
放課後デイは、時間帯的にちょうどおやつの時間と重なります。そこでくまさん横浜では、一週間おきに「おやつ作り」を行っています。在籍する小学生から高校生まで、すべての学年の子どもたちが、学年の区別なく必ず調理活動に参加します。
正直、重い障害のある子どもたちにとってまた職員にとっても「調理」は大変な活動です。しかし重い障害児の多くは火や刃物のある台所での「お手伝い」が避けられる傾向にあり、そうしたものにあまり触れないまま大きくなっていきます。
しかし人は誰でも「食べること」が一生続きます。自分の口に入り、自分の体を作っていくものが、どこでどう育ち、どのように調理され、そして最後にどう片付けられていくのか――その一連の流れを知り、経験することは、「大人としての日常生活」を練習する、とても大切な機会だと私たちは考えています。
こうした経験は、月に一度や年に数回だけでは、なかなか身につきません。だからこそくまさん横浜では、隔週で、一年に何十回、何百回と調理活動をくり返しています。くり返しの中で少しずつ、包丁の持ち方、火の扱い方、片付けの手順――そうした生活の技術が、子どもたち自身の力として積み重なっていき、ご家庭での「お手伝い」やひいては将来の「生活力」につながっていきます。
お陰様で今週のハヤシライスは大好評。何人もの子たちがぺろりと平らげ、おかわりであっという間になくなりました。やっぱりお友達と一緒に、自分の手で作ったものは一味違うようです。ご家庭に報告しても「え? ウチの子がピーマン食べたんですか! ?」と驚かれる場合もあり、今週もたくさんの「くまさんマジック」が起きています。
くまさん横浜は、重い障害の子たちでも、楽しみながら将来に生きる力を身に着けていける、そんなデイサービスを目指しています。
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