【「スコップコロッケ」を作りました! 】

【「スコップコロッケ」を作りました!】

   今週、くまさん横浜の小学生たちは調理活動を行いました。「ハヤシライス」「ひじきの混ぜご飯」などいくつかのメニューを作りましたが「スコップコロッケ」というちょっと変わった、油を使わない「揚げないコロッケ」もみんなで作りました。

 くまさん横浜では、小学生から高校生まで毎月隔週で「調理活動」を行っています。これには理由があり、10年ほど実際にやってみて、特に重い自閉症児にとってさまざまなよい効果が感じられるためです。

 もちろん障害の重い/軽いがあるため、すべての子がすべてのことはできないのですが、それでも職員のサポートを受けながら、調理プロセスの中で何か「自分にできること」を必ずやってもらっています。

 コロッケづくりでは、じゃがいもを潰し、炒めたひき肉と混ぜたあと、大きな深皿に入れます。またパン粉を炒めきつね色にしたらその上に敷き詰めます。それをすくって一つずつお皿に取り、とんかつソースをかけたらできあがりです。

 お母様方にお聞きしたらみんなコロッケは好きな子が多く、残す子がほとんどおらず毎日「完売御礼」となりました。

 「食べること」は一生のことです。「お友達と一緒に自分の手で作ったものを、その一緒に作ったお友達といっしょに食べる」経験を重ねることによって、子どもたちは単に「お手伝い」「調理技術」だけでなく「他者」を意識し、チームの中での「役割」や「責任感」といったことを感じ始めます。

 こうしたことは一度では身につかないのですが、それでも毎月毎月繰り返し練習することで、こうした「社会性」の獲得の最初の段階を楽しみながら身につけることができます。

 またくまさん横浜の調理活動では、しばしば面白いことが起こります。それは「食べられるものが増えていく」ことです。やはり自分の作ったもの、お友達と作ったものは格別なのでしょうか、家では吐き出したり学校給食では食べないものでも、くまさんの調理活動で食べられるようになる、ということはよくあることで、保護者からは「くまさんマジック」と呼ばれています(笑)

 障害を持つ子どもたちは、実際には「台所の作業」を手伝わせて貰える機会はなかなか少ないです。だからこそ、くまさんでは「食べ物が作られていくプロセス」を、実際に自分の手をかけながら体験していく食育の機会を多く提供しています。

 今回のコロッケには、実は、港南区の葛西康介様(一般社団法人トリアプローチ代表理事)からご寄付いただいた、美味しい長野産のじゃがいもとズッキーニをありがたく使わせていただきました。葛西様、いただいたお野菜は子どもたちの胃袋にすべて収まりました(笑)。ありがとうございました!

 


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