【杜の茶屋さんに外食体験に行きました!】

【杜の茶屋さんに外食体験に行きました!】

 夏休み最後の日に、くまさん横浜の小学生たちが昼食に「外食体験」に行きました。今回のレストランは、栄区にある社会福祉法人ル・プリさんが経営する「杜の茶屋」の「Cafe Nagomi」です。こちらは先日お邪魔した「SELP・杜」の姉妹店で、環状4号線という幹線道路沿いにある素敵なカフェです。

 「サバ味噌煮定食」「豆腐ハンバーグ定食」「天丼」・・・などなど、子どもたちは好きなものを昼食に選び、食後のデザートにアイスクリームやケーキなどの注文もありました。

 こちらは、生活介護事業所とB型作業所として経営されているお店で、実際に障害を持った「オトナの障害者」の方々が働いていらっしゃいます。

 くまさんの卒業生の子たちも何人か働いていて、当日は卒業生の子がウェイトレスとして「後輩」たちにお茶やお食事を運んで来てくれたりもしました。

 また「くまさんの子たちが食事に来た」と聞いて、上の階で納豆を作っていた卒業生が降りてきて、職員と再会を懐かしみ一緒に記念撮影する場面も見られ、ふつうのレストラン訪問とは違った温かい交流がありました。

 実は「外食」は重度の知的障害の子たちにとってなかなか難しい技です。まず「テーブルマナー」の概念はほとんどありません(笑)。ポロポロこぼしたり、手づかみで食べてしまったりするのは当たり前。椅子の上に立ち上がったり、大声を出したり席から立って店内を走り回ったりする子もいます(笑)。

 当日は「貸切」ではなく、一般のお客様もいる中での外食だったため、それぞれに介助についた職員たちはかなり神経を使いましたが、それでもコップの水を他の子にかけたり、店内でおもらしをしてしまう子がいたりと、ハプニングが続出してしまいました。そんな中でもなんとか皆美味しいお昼をいただくことができました。

 くまさんでは食べ終わったあとの「お会計」も自分でやることになっています。一人一人レジに行き、付添の職員に助けられながら、おうちから持ってきたお金をトレイに入れてレジのお姉さんにお支払するのです。その後、ちゃんとレシートを受け取ってお財布に入れ、おうちに持ち帰る・・・こうしたことも「外食」の一環として体験してもらっています。

 大人になった時に「外食ができるかどうか」は、QOL(生活の質)を大きく左右します。

 家から外に出て、レストランやカフェなどで、自分の好きなものを選んで食べるということ。健常者にとっては何気ないことですが、しかしこれも重い知的障害の子たちにとっては練習しないと身に着けられない難しい技術なのです。ご家庭ではなかなか難しいこうした練習を、障害に理解のあるレストランのご協力をいただきながら実施できることは、本当にありがたいことです。

 今回、たくさんご迷惑をおかけしたにも関わらず、終始笑顔でご対応いただいた杜の茶屋の時田様をはじめ、スタッフの皆様には心より感謝申し上げます。企画段階から親身になってご相談に乗っていただき、子どもたちにとって貴重な体験をさせていただくことができました。ぜひまたお食事に伺わせてください!


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