【エッセンハイムさんのパン移動販売!】
【エッセンハイムさんのパン移動販売!】
先週、夏休み中の特別な取り組みとして、横浜の人気ベーカリー「エッセンハイム」さんにお願いし、パンの移動販売車に来ていただきました。エッセンハイムさんはNHKの「ドキュメント72時間」というドキュメンタリー番組でも取り明けられたことがある有名なパン屋さんです。ふだん、お昼はお弁当を食べている子どもたちにとって、この日は特別な「パンの日」となりました。
朝一番に焼き上げられたばかりの、ほやほやの焼きたてパンを積んだかわいらしい軽トラックが、くまさんのビルの駐車場に到着しました。一見普通の軽トラックですが、荷台の横を開けると驚きの光景が! 立派なパン棚が現れ、美味しそうなパンがずらりと並んでいます。まるで本物のパン屋さんの店頭にいるかのようでした。
メロンパンやアンパンなどの甘いパンから、焼きそばパンやサンドウィッチなどの惣菜パンまで、色とりどりのパンが子どもたちの目を引きました。また当日は近所にお住まいの保護者の方で、この活動に参加されたご家庭もありましたが、皆さん、棚を見て驚かれるほど立派な「パン屋さん」でした。
事前にご家庭にお願いし、子どもたちのこの日のお昼はパンにしていただきました。子どもたちは用意してきたお金をパン屋さんにしっかりとお支払いし、自分のパンが入った袋を受け取りました。お買い物活動はこうした「自分でお金を渡し、商品を受け取る」という「金銭と物の交換」を通じて、物の価値について実感を持ってもらうことがねらいの活動です。
購入後はみんなで教室に戻り、おいしいパンのお昼タイム。朝焼いたばかりの焼きたてパンは格別で、子どもたちの頬が自然とほころびました。また職員も全員この日はパンの昼食とし、みんなで楽しい時間を過ごしました。
くまさん横浜では、「社会性」の訓練の一つとしてふだんから「お買い物」の活動を行っています。重度障害児の場合、一般の店舗でのお買い物には想像以上に「周囲への配慮と注意」「安全管理」が必要となります。今回のように「お店がこちらまで来てくれる」形であれば、くまさんの駐車場で気兼ねなくお買い物体験ができ、職員にとっては大変ありがたい取り組みとなりました。
また最近はスーパーでも100円ショップでも、レジの自動化が進み、精算機での支払いが主流になっています。しかし、人にお金を手渡し、お釣りや商品を受け取るという一連の流れを通じ「金銭と物の交換」を実感してもらいました。これは物の「価値」に関する感性を育むことを狙いとしています。カードや電子マネーでは見えづらくなってしまった「交換」の概念は、現金使用でこそはっきりします。
くまさん横浜では、このような「社会性獲得」の練習を、様々な角度から、そして何より楽しみながら行っています。子どもたちの成長を支える取り組みを、これからも続けてまいります。
今回の企画段階からご相談に乗っていただき、快くご協力いただいた エッセンハイム株式会社・営業部の西原様、美味しいパンとすばらしい体験をありがとうございました!
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