【「バス乗り訓練」しています!】

【「バス乗り訓練」しています!】

 くまさん横浜では今年も夏休みに、小学生たちが「バス乗り訓練」を行っています。この訓練は、実際にバスに乗って、公共交通機関の利用方法や「公共の場でのマナー」を体験することが目的の活動です。

 障害ある子どもたちの多くは、日常の移動が「専用車」になりがちで、公共交通機関の利用は多くありません。今年も「バスに乗るのは初めて」という子もいました。

 目的地は、くまさんの前から4停留所先・約10分ほどの「栄図書館(横浜市栄区)」です。くまさんの最寄りバス停からこちらまでバスで行って帰って来る活動です。

 栄図書館は児童図書コーナーに大きなテーブルがあり、実は水筒やペットボトルなどのキヤップつきの飲み物の持ち込みが可能です。そこで、こちらで一旦休憩させていただき水分補給の休憩をとって、トイレを貸していただき、また帰りのバスで戻って来る、という訓練です。

 もちろん最寄りのバス停までは歩いて行くわけですから、実は「バス乗り訓練」は同時に「街中の歩行訓練」でもあります。 

 道を歩く途中には、道に段差があったり、歩く場所が線で決められていたり、人とすれ違ったりすることもあります。また「信号を待つ」「横断歩道をわたる」というようなこともあり、注意しなくてはならないことが様々あります。実は障害ある子たちにとっては、数分の歩行でも「大冒険」となるのです。 

 またバスに乗る時は、運転手さんに行き先を伝えてお金を払う、車内では周囲にご迷惑をかけないように静かにする、降りる停留所前にボタンを押す、車が止まってから席を立つ・・・など、様々なルールがあります。

 将来、大人になった時のことを考えれば、子どものうちからこうしたことをひとつひとつ体験しておくことはとても大事なことです。今年も子どもたちは公共の場でのルールを守り、時に上級生たちが初めての1年生たちに教えたり助けたりしてくれ、みんなでこの訓練を無事に終えることができました。

 くまさん横浜では、子どもたちが事業所で過ごす時間が「将来の投資」になるべき、と考えています。

 せっかく貴重な時間とお金を使って事業所に通うのですから、ここでしかできない体験をし、ここでしか学べないことを学ぶべきと職員たちは考えており、そうした観点で日々の活動プログラムを企画しています。ご家庭を離れ「お友達とみんなで一緒に公共交通機関に乗る」この活動も、そうした一環です。

 暑い中、頑張った子どもたちと職員の皆さん、お疲れ様でした!


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