【グループホーム「そらりす」さんに見学に行きました!】

【グループホーム「そらりす」さんに見学に行きました!】

 くまさん横浜では、夏休み期間を活用し、中高生と保護者たちを対象に「事業所見学」の活動を行っています。

 これは、障害ある子たちが将来大人になった時に、どのような場所で働き、どのような場所で生活していくのかを、早い段階から保護者とともに実際に見て体感していただく活動です。

 今年の夏休みは、B型作業所・生活介護事業所・グループホームなど合計7件の事業所を回ります。親子が一緒にペアでご参加いただく活動です。

 今年の一軒目は、栄区にある人気のグループホーム「そらりす」さんにお邪魔しました。本郷特別支援学校や港南台ひの特別支援学校から8組16名の親子にご参加いただきました。

 グループホームとは、大人の障害者の方々が共同で暮らす「シェアハウス」や「寮」などにあたる生活の場です。

 そらりすさんは定員6名という小規模なホームですが、専門性の高い重度の障害者を対象としていることから、一人ひとりの利用者にきめ細かく目が行き届く体制が取られています。

 通常のグループホームでは「食事」「排泄」「入浴」さらには「服薬管理」などの「身辺自立」が入居条件となる場合が多いのですが、こちらでは職員の皆様がそれらすべてをサポートする「全介助」の体制が取られています。

 ゆったりとした敷地、広々とした庭、採光を考慮した明るい室内設計が印象的で、見学されたお母様方から「わあ、素敵なホーム」「こんな場所にうちの息子を入れたい」という感嘆の声が上がりました。

 施設長の中川さんは、「重度の障害をもつ方が安心して暮らせる場が、地域にまだまだ足りていない」と以前より課題を感じていたそうで、そうした現実に向き合いながらこのホームを立ち上げられました。

 ご自身も最重度(A1)の知的障害のあるご家族がいらっしゃることから、支援者としてだけでなく「当事者家族としての視点」をもって、日々入居者やご家族と向き合われているのが印象的でした。

 「ここは支援する側・される側という関係ではなく、一緒に“暮らしの場”をつくっていく感覚を大事にしている」と話してくださり、温かなまなざしに心を動かされた保護者の方も多くいらっしゃいました。

 見学後の質疑応答では、熱心な保護者の皆様から次々と質問が寄せられ、定刻を大幅に過ぎても中川施設長が一人一人に丁寧にお答えくださり、大変充実した時間となりました。

 実は中川施設長は、学生時代にくまさん横浜の非常勤職員として勤務されていたことがあり、当日の見学者の中には10年ほど前に中川先生にお世話になった子どもたちもいました。

 当時小学生だった子たちが高校生となって10年ぶりの再会は、先生にとっても笑顔がこぼれ、保護者の皆様にとっても旧交を温める時間となりました。

 現実として、支援学校を卒業した障害のある子どもたちが就労できる場所、暮らしていける場所は横浜市でもまだまだ限られています。

 特に重度の、介助を必要とする障害者が「ひとり暮らし」ができる事業所はほとんどありません。そうした中、この「そらりす」のような愛情あふれるケアが受けられるグループホームは本当に貴重な存在で、この夏、くまさん横浜の活動で見学させていただくこととなりました。
 
 今学齢期の子どもたちも、いつか必ず大人になる日がやってきます。くまさんでは中高校生のクラス「くまさん横浜NEXT」で、この夏もこうした様々なオトナの福祉事業所に、親子で見学に行く機会をご提供しています。夏休みの時間が取れる時に、ぜひ大勢の保護者にご参加いただき、お子さんの将来を具体的に考える機会にしていただければと考えています。

 今回の見学を快くご許可いただいた、グループホーム「そらりす」の中川将吾施設長様、本当にありがとうございました。保護者や子どもたちともども、心より感謝申し上げます。


※くまさん横浜では、児童の写真は保護者の許可を得て掲載しております。
当ページで使用している写真の無断コピー/使用はご遠慮ください。