【「ドッグセラピー」の活動を行いました!】 

 先週末、栄区の「矢沢なかよし公園」にて、今年度初めての特別企画「ワンちゃんと遊ぼう!」を開催しました。こちらは「ドッグセラピー」活動の一環で、この日もマルチーズの「ミルクちゃん」と、トイプードルとマルチーズのミックス犬「モカちゃん」に来ていただきました。

 天気予報では雨の心配もありましたが、幸いにも空模様は私たちの活動を見守ってくれたかのように持ちこたえ、子どもたちは思う存分、ワンちゃんたちとの触れ合いを楽しむことができました。

 投げたボールを嬉しそうに拾ってくるワンちゃんの姿に歓声を上げる子、初めてリードを持たせてもらい緊張しながらも誇らしげに「お散歩」を体験する子・・・など、さまざまな表情が見られました。障害ゆえに表現が豊かでない子どもたちが、大好きなワンちゃんを見ると笑顔を輝かせる瞬間は、職員たちにとっても何よりの喜びです。

 くまさん横浜では、ドッグセラピーを子どもたちの情緒発達や社会性を育む重要な教育的活動と考えています。しかし実は、この活動は見た目以上に繊細な配慮が必要です。

 まず、児童一人ひとりにとって「犬アレルギー」のお子さんはもちろん、「ワンちゃんが苦手」というお子さんもいらっしゃいます。また犬の個性も大事で、くまさんの子どもたちに絶対吠えたり噛んだりしないことが必要です。

 さらに障害のある子どもたちが不意にリードを引っ張ったり、急な動きをしたりすることもありますので、職員は常に全体を見渡しながらも一人ひとりに寄り添う体制を整えています。

 さらに公園の選定も重要で、出口の位置や広さによっては「ワンちゃんに引っ張られてこどもが公園の外に出てしまう」ような危険もあります。適度な広さがありながらも安全管理がしやすい公園、が大事なのです。

 私たちがこの「ドッグセラピー」を実施する理由は、やはり幼少期に「生き物と触れ合う」体験が、子どもたちの共感能力や責任感、他者を思いやる心を育むことが、多くの研究で示されているからです。特に障害のある子どもたちにとって、言葉を超えた動物とのコミュニケーションは、新たな自己表現の扉を開くきっかけになることもあります。

 もちろん、この日の活動はワンちゃんだけではなく、ロープツリーやブランコでの遊び、鬼ごっこなど、犬にかかわらない子達でも身体能力や協調性を育む「公園遊び」を存分に楽しみました。さらに現地でシートを広げ、皆で一緒におやつを食べる「共同体験」もありました。

 土曜の午後約2時間、一見すると「公園でワンちゃんと遊んだ」という簡単な活動ですが、そこには子どもたち一人ひとりの特性を理解し、安全を確保しながら発達段階に合わせた経験を提供するための、くまさんの綿密な準備と配慮があります。

 くまさん横浜では、こうした「見えない部分」にこそ最大の努力を注ぎ、子どもたちが「楽しい」と感じる中で、実は多くの学びや成長の機会を得られるよう活動を設計しています。

 今回もご協力いただいた栄区の橋田様、本当にありがとうございました。またモカちゃんとミルクちゃんもありがとうございました!また遊んでね!


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