【歯みがき訓練、やっています!】

【歯みがき訓練、やっています!】  

 くまさん横浜では「小学生」「中高生」のクラスに分かれていて、中高生は小学生と別に活動し、より「社会に出るための準備」に特化した活動を行っています。
 中高生のクラスは「くまさん横浜NEXT」と呼ばれており、職員も療育プログラムも小学部とは全く別になっています。

 くまさん横浜は、知的障害のうちでも「最重度(横浜市の手帳で言うと「A1」=東京では「1度」)」「重度(横浜市では「A2」=東京都では「2度」)の児童だけで全体の利用の約90%に達しており、そのうち「強度行動障害」の認定を受けている児童が全体の1/3ほどいます。いわゆる「重い子の事業所」で「他の事業所で断られた」というお子さんを何人も受け入れています。

 こうした子達は「卒業後」に社会で生きていくのに「身辺自立」に大きな困難を抱えています。

 大半が言語を理解できませんし、「生活動作」と呼ばれる、日常生活に必要な動作、例えば「歩行」「食事」「排泄」「入浴」なども一人では難しく、他者の援助を必要とします。
 
 今週、くまさん横浜NEXTでは中高生たちが「歯みがき訓練」に取り組んでいます。こうしたことも大人になったら自分でできる必要のある「生活動作」です。口腔衛生は虫歯だけではなく感染症など全身に関わる病気に直結していますから、子供の頃からぜひ身に着けさせたい習慣です。

 ご覧のとおり、まず大きな模型で歯ブラシの方法を教えます。その後、職員たちが一人ひとりの子どもの手を取って、歯ブラシの位置やこすり具合を教え、自分の手や口の感覚で感じてもらいます。こうしたことを10回、100回、1000回・・・と繰り返すと、子どもたちも覚えていってくれます。

 障害が重い子どもたちは、そもそも言葉が通じなかったりすると、ご実際には家庭ではなかなかこうした練習は難しいのです。また専門職でないお母様方は「必要とわかっていても途中で心が折れてしまう」こともあります。ですからこうしたこともくまさんでは訓練し、少しでも子どもたちの将来に役立てるよう努力しています。

 中学生になると、子どもたちはもう5~6年で社会に出て自立しなくてはなりませんが、5年なんてあっという間です。学校とくまさんを卒業したあとに、この子たちが少しでも生きやすくなるために、「今日」何の課題と訓練が必要なのか? 「歯みがき」だけでなくそうしたことを職員たちが毎日考えています。 

 くまさん横浜では、職員たちが一人ひとりの子どもたちを見ながら、今日も子どもたちの将来のために必要な療育活動をしています。


※くまさん横浜では、児童の写真は保護者の許可を得て掲載しております。
当ページで使用している写真の無断コピー/使用はご遠慮ください。