【歳末調理大会!】
【歳末調理大会!】
早いものでいよいよ年の瀬が押し詰まってきました。 くまさん横浜では毎年、お正月前の「最後の3日間」は「歳末調理大会」を行っています。
今年も子どもたちが「自分たちの手で自分たちのお昼ごはんを作って食べる」ということで、3日間に渡り「焼きそば」「お好み焼き」「カレーライス」を作って食べました。
くまさん横浜では、毎月日中活動に必ず「調理」を行っており、それには理由が2つあります。
1つは「食べること」は一生のことなので、子どもたちに「食」周辺の生活技術」を身に着けてほしいからです。
もう1つは、とかく「他人に関心を持ちづらい」自閉症などの子どもたちにとって「お友達といっしょに作ったものを一緒に食べる」ことは、社会性を育むひとつの手段になるからです。
例えば大人でも「会食」「晩餐会」などに見られるように「人と一緒に食事をする」ことは他者との良好な関係を構築する作用があります。まして「作るところから一緒にやる」と、子どもたちは自然と「人との共同作業」を学び「協力」や「役割」「責任」といった感覚を育んで行くのです。
こういう素材として「調理」は子どもにとって最適な教材であることがわかりましたので、くまさんでは調理活動を重視しています(実際、くまさんに来ている子どもたちは「同じ釜の飯を食った仲」なので、学校や学年を超えて仲が良いです)。
そうした毎月の調理活動の一年の「集大成」として、年末最後の3日間に調理大会を実施しています。
この日は小学生から高校生まで、もう朝からキャンプのようにワイワイとみんなでお料理をする賑やかな日となります。手順書を見ながら自分の担当を時間通りにやらないと料理ができあがりませんから、みんな責任重大です(笑)。
もちろん包丁も使いますし火も使いますから、重度の知的障害児、まして強度行動障害児とってはなかなか危険を伴う行為ではありますが、こうしたことも大事な経験なので、職員たちがついてみんな一生懸命に頑張って作ります。
自分の手で作ったお昼ごはんはひときわ美味しいようで、やきそばもお好み焼きももそしてカレーも毎年おかわりがたくさん出ます。中には3杯も4杯も食べる子がいて(笑)、今年も最終日のカレーの日は2升3合以上のお米がまたたく間に消えてしまい、まだご飯が足りないくらいでした(笑)。
ちなみにくまさん横浜で使っている調理大会用の手順書(大型ポスター)は、漫画家の東洋トタン先生に制作を依頼した書き下ろしのオリジナルで、子どもたちに見やすいように工夫がされています。
また今年は最終日に、プロレーシングドライバーの一條拳吾(いちじょうけんご)先生(2024スーパー耐久ST-2クラスシリーズチャンピオン)が遊びにいらしてくださいました。先生はこの分野にご関心があり、以前くまさん横浜の非常勤職員として勤務していた時期がありました。この日も子どもたちとの再会を懐かしみ、一緒にカレーを食べてくれました。
一條拳吾先生 https://tinyurl.com/kengo-kumasan
おかげさまで今年もみんなケガなく「歳末の3日間」、子どもたちは自分で美味しいお昼を毎日作って食べることができました。こうした経験を毎年繰り返すことで、将来の「生活力」に少しでも役立つと良いなと思います。子どもたちも先生方もお疲れ様でした!
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