人×人に、逆転バイバイ的思考、在り。

手のひらを自分の側に向けて、相手に「バイバイ」と手を振る「逆転バイバイ」(逆手バイバイ)。
https://www.youtube.com/watch?v=MU-2cK76Uis

発達に課題をもつ乳児にみられる現象で、ご縁あって、この場(記事)を訪ねる人の中には、ご存じの方もいると思います。「発達障害の子どもたち」の著者、杉山登志郎先生はその中で以下のように述べています。(以下、抜粋)

「自閉症の社会性の障害とは、人と人との基本的なつながりに生まれつきの苦手さがあるということに他ならない」
「自閉症の社会性の障害とは、筆者なりに圧縮すると、『自分の体験と人の体験とが重なり合うという前提が成り立たないこと』とまとめることができる」
「なぜ普通の零歳児が、(相手の)手のひらは自分のほうを向いているのに、相手に手のひらを向けてバイバイができるのか(中略)すでに乳幼児のうちに、自分の体験と人の体験が重なり合うという前提があるに他ならない」

自閉症の赤ちゃんは、自分を相手の立場に置き換えることが難しいため、親など相手のバイバイを見て、「バイバイ」=自分に手のひらが見えている状態だと認識してしまう。自分の視点からみえる通りに動作模倣をしてしまう。

自分の視点・立場と、相手の側からのそれ。

さて、どんなことを感じるでしょうか?
発達課題の書物などで、こうした事例に出合うたびにいつも思うのは、私たちの職する分野はつくづく人間の言動の本質を感じさせることが多い、ということです。
そして、いつもそこには、さまざまな特性をもった児童はもちろん、大人を含めて、幅広い異年齢の言動しているリアルな人たちがいます。日々に生きて交わる、人間の本質への観察眼を意識的に養いなさい、ということなのかもしれません。

※複数の職員が、各自の視点で綴っています。


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