【「ホットケーキを焼く」ことで子供達が学ぶもの】

 【「ホットケーキを焼く」ことで子供達が学ぶもの】

 先週から今週にかけて、くまさん横浜では小中生が「ホットケーキ焼き」の活動を行っています。ホットケーキ作りは、実は色々なプロセスが学べる活動なので、くまさんではよく行っています。

 まずは調理以前に、牛乳や卵、お皿などの材料や道具を運ぶところから始まります。これは子供達にとって「お手伝い」の領域に入る、ある種「社会性の訓練」となる活動です。
 
 材料を混ぜ合わせてタネを作っていくところから始めるのですが、卵を割り、牛乳を注ぎ、よく混ぜてから粉を入れてまた混ぜていきます。これらはもちろん「手先を上手に使う訓練」ですが、それぞれのステップでそれぞれ全て「手の使い方」が異なります。指先だけでなく、手首のひねり方や握り加減の調整など、あるいはその時に手を支えている肩や肘の位置の調整や体の姿勢のコントロールなどまで、目的の運動に合わせて、手を含めた全身の使い方をコントロールしなければなりません。

 またタネができたらアツアツの熱したホットプレートに注いで丸く形作り、焼き上げます。焼けたらフライ返しでひっくり返しますが、ここでもいろいろな課題があります。

 くまさん横浜では小中生の活動中に「直火」を扱うことはありませんが(それは中高生のNEXTの活動です)、それでもホットプレートはあつあつですから、まずヤケドをしないように気をつけなければいけません。手ではなく「フライ返し」などの道具を使いますから、なかなか思ったように動かせませんか、そこを力の加減と調整をしながら、方向を定めてエイヤ!とひっくり返します。

 障がいを持った子達にとっては、それぞれの動作はそれなりに難しく、職員が手を添えて手伝うことが多いのですが、それでもこうしたことを繰り返すことによって「力の加減」「指の角度と方向」などを覚え、次第に「自分の手を上手に使う」ことがこなせるようになっていくものです。

 そして焼きあがったらアツアツのうちにいただきます。トッピングにはちみつやホイップクリーム、日によってはバナナなどのフルーツを載せることもあります。自分の手で作ったホットケーキは、きっとおいしさもひとしおでしょう。みんなかぶりついていき、あっという間に一枚平らげてしまいます(^O^)。

 ここでも「フォークを上手に使って自分で食べる」「おかわりはお友達とかわりばんこ」「自分の順番を待つ」といった課題が沢山あり、子供達はホットケーキを食べながら自然に学んでいくことができます。

 こうした「自分で食べるものを自分の手で作る」という経験は、将来にわたって役立つものであり、できれば小さいうちから経験したほうがよいと私達は考えています。もちろん、子供達はいちいちこうした「課題」を意識せずに「ただ楽しく遊んでいる」だけなのですが、そうした楽しい遊びの中で、将来に必要な技術の訓練ができるようにとくまさんでは考えています。

 子供達が学校帰りにたくさん楽しく遊んでいるだけで、将来に役立つ技術と成長が身についていく--くまさん横浜はそうした活動を目指している放課後等デイサービスです。


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