【レストラン体験】

【レストラン体験】

 中高生専用のデイサービス、くまさん横浜NEXTでは、「レストラン体験」の活動を行っています。これは「外食の練習」です。

 中高生ともなると共働きのご家庭も多く、そろそろ「一人で外食ができる」訓練も課題になってきます。一言で「外食」と言っても様々なプロセスと行動があり、障がいを持った子にとっては簡単なことではありません。

 まずはお店を選び、お店に着いたらメニューを見て食べたい物を選び、食べたらお会計も必要です。ウェイトレスさんに注文を出す時はハッキリと「ビーフカレーください」と伝えなければなりませんし、お店によっては「ドリンクバーは自分で取りに行く」というような特別な注文の仕方がある場合もあります。場合によっては満席で待たされる時もあったり、混んでいると注文したしながなかなか出てこないこともあります。
 もちろんお店は公共の場所ですから、大きな声で騒いだり走ったりすること無く、周囲にご迷惑をかけないようにお行儀よくお食事を楽しまなくてはなりません。トイレも「共同」ですから、自分が行きたい時にふさがっていることもよくあります。こうしたことを考えると、外食は彼らにとって「チャレンジの連続」だったりします(苦笑)。

 それでもこうしたことを繰り返し体験し、慣れていければ、将来子どもたちの活動の幅はぐんと広がります。お出かけする時に毎回お弁当を持っていくのではなく、たまには出かけた先でレストランを選んで入り、好きなものを食べて帰れるようにもなれれば、より生活が豊かになります。中高生専用のデイサービス、くまさん横浜NEXTでは、大人になる直前の中高生の生徒たちに、こうした「将来、おとなになった時に生きる上で役に立つ」ための訓練を毎日行っています。

 ADLと呼ばれる「日常生活動作」やIADLと呼ばれる「手段的日常生活動作」は、障がいが軽い子では「できる」子も多いのですが、できるからと言っていつも「している」わけではありません。またそれらを目的を持ってご家庭で訓練することは、お忙しい保護者の皆様にとってなかなかできることではありません。学校でもないご家庭でもない私達のような「第三の場所」では、子どもたちにそのようなことを訓練することが役割だとくまさんでは考えています。

 障がいを持った子どもたちにとって、将来の「身辺自立」は大きなテーマです。くまさんに通う子どもたちが、少しでも「自分でできること」が増やせること。そして将来、彼らを助けてくれるヘルパーさんや支援者の方々の負担を減らせること。生涯に渡って周囲の支援を必要とする障害児(者)にとって、色々な意味で「支援してもらいやすい人」になれるかどうかは、彼らの人生にとって大きな課題であると私達は考えています。

 2月20日(月)に行われる2017年度の利用説明会では、くまさんのこうした「障害者支援に対する考え方」についても、お話しさせていただきます。中高生の障害児をお持ちの保護者の皆様、「学校が終わった午後の子どもたちの過ごし方・育て方」について、将来を見据えているくまさんの考え方をぜひお聞きいただければと存じます。奮ってご参加ください!


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